戸川幸夫(明治45〜平成16/1912〜2004) | |||||
動物文学という新しいカテゴリーを確立し国民の支持を得た作家。
戸川幸夫は1912(明治45)年4月15日、佐賀県鍋島村(現在の佐賀市)生まれ。
生後まもなく若松市(現在の北九州市若松区)の実業家、戸川益男と母の実姉・い乃夫婦の養子になりました。
その後、父の仕事の関係で八幡に転居し、八幡尋常小学校に通いました。
1923(大正12)年には父の仕事の都合で東京に移り、1925(大正14)年、私立高千穂中学に入学。
この翌年、探検家に憧れ南極探検隊隊長を務めた白瀬矗中尉に手紙を出し返書を貰うも、政治家を望む養父に咎められてしまいます。
その後、幼少から動物好きだったこともあり動物学者を志望するようになると、動物関係の書籍を読みふけったといいます。
1932(昭和7)年、東北大学古生物学科への進学を目指して旧制山形高等学校に入学。
学校の講義に飽き足らず、独自にニホンオオカミや日本犬をめて山歩きに没頭するようになりましたが、健康上の理由で学校を中退。
1937(昭和12)年には東京日日新聞(現・毎日新聞社)に入社し社会部記者となり、中国特派員、海軍報道班員として各地に従軍しました。
1955(昭和30)年、山形での体験をもとに書いた『高安犬物語』で直木賞、新鷹会賞を受賞した後は、会社を退職し作家活動に入ります。
以降、犬を中心とした動物ものを書き続け、「動物文学」というジャンルを確立していきました。
サンケイ児童出版文化賞を受賞した『子どものための動物物語』、『爪王』『オホーツク老人』など著書はその他多数。
また、1965(昭和40)年には西表島でイリオモテヤマネコの発見に大きな功績も残しました。
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